思い通りに写真を撮りたい

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花巻南温泉郷の大沢温泉自炊部で湯治 

明けましておめでとうございます。
新年の喜び心より申し上げます。
本年もよろしくお願いします。

気の早い方はクリスマスの連休から正月休みしてる方もいるのでは?
海外旅行や実家へ里帰りとかで羽を伸ばしてることでしょう。

私といえば正月も盆も関係なく毎日が日曜ですが、12年前の暮は忙しく大晦日まで仕事をしてました。
そして迎えた新年。
岩手県花巻南温泉郷の大沢温泉自炊部で湯治に向かいました。
以下その顛末です。



2004年1月5日 月曜 晴
昨夜というより正確には今朝方、2時間しか寝てないというのに青春18切符利用で花巻に向かう。
9回もの乗り換えを経て着いたさきは身震いするほど寒い花巻駅。
1時過ぎに仙台でサンドイッチを3切れ食べたっきりのところに、バスは1時間後の出発ということもあり、とりあえず腹ごしらえをしなければと思うのだが・・・
宮沢賢治ゆかりの駅前を探しても駅舎併設の食堂?みたいな物と場違いなフィットネスクラブと観光案内所が、そして、通り沿いにはビジネス旅館があるだけで殺風景そのもの。
でも、見つけましたよ「楽らく」という居酒屋を。
豚足やホルモン炒めに鱩焼きに刺身もあるが品数はいたって少ない。
とりあえず寒さしのぎに熱燗を頼むと付き出しにおでんが出てきましたが、焼き鳥を注文すると脂がのってて美味しい。
「旨いですね、この焼き鳥は。地鶏ですか?」
女将さんは入った当時から愛想が良かったが、主は無口だったのが少しにっこりとしどこから来てどこで泊まるのかなど聞いてきた。
大沢に行くというと、その手前の志戸平がいいと教えてくれる。
なんでも生ビールが250円で飲めるところがあるそうで、テレビでも見ながら飲んでるのが一番いいんじゃないかという。
話しだすとけっこう気さくな感じだった。
正味1合半はあろうかと思われる徳利を空にし、主と女将さんの恥らう写真を撮ってバスに乗り込んだ。 
 
スーパーを一軒見つけただけでメインストリートとは思えぬくらい、これといった物が見当たらない。
夜だから見えないに違いないが、それにしても乗客が3人しかいないし、まだ6時だというのにこの静けさは何なんだろうと思う。
とにかく灯りのついているところが少ない。
正月明けのせいだろうか?そんな思いをよそに、バスは市街地をスピードを上げて行く。
件の志戸平温泉は賑やかそうで、そこからほどない所が大沢温泉だった。

バス停の前には何件かの商店があり、地方にありがちな萬屋ふうの店でパンと煙草を買い込んで宿へ。
去年の春からどこか行きたいと思いながら、せいぜい日帰りの伊豆高原がやっとで旅とは無縁だった。    
高校時代読み更けたことがあ五木寛之が「日刊ゲンダイ」紙上で、「今年も旅で暮れる」というようなことを不満そうに書いていた。
人間というのは身勝手なもので、そのとき置かれた状況で価値観が変わってしまうのだろう。
彼と自分とでは旅というものについての観点も違えば身分の差もあるが、五木寛之がそんなことをのたまっても不遜などとはいうまい。

大沢温泉自炊館のガラス戸を開け一歩足を踏み込むと、古めかしさの中にも暖かさが感じられてきた。
訛りのある「いらっしゃいませ」が、雪にまみれた温泉場を想像していたにもかかわらず、暖冬はここ岩手県も同様で雪など見あたらずじまいだったので、少しばかり期待はずれだった気持ちを和ましてくれる。
部屋といえば帳場のならびにある売店を抜けた突き当りの18号室で、入るとすぐ板の間の靴脱ぎが濡縁のようになってて、そこにプロパンガスのコンロが1台置かれていた。番頭の話ではコイン式のガスコンロは1回10分10円だが、これは1日中使っても100円だという年季の入った代物だった。畳の間は6畳で炬燵と石油ストーブに無料のテレビが置かれている。

500キロもの道のりを電車に揺られてきた身体はすぐにでも横になりたかったが、まずは「やはぎ」という食堂で山盛りの若鶏の中華風あんかけを肴にビールを飲む。
飲んだあとは温泉だ。
渓谷に面した脱衣所は、仕切りも何もなくそのまま露天風呂に繋がっている。
夜で対岸には誰もいないので気にすることなく入るが、身体が冷えてるせいかかなり熱い湯だ。
しばらくすると、中年女性が入ってきた。そばにいる60がらみの親父が彼女を注視しているのが滑稽に見えた。
何はともあれ、今朝2時半に起きてからここにくるまでの1日がこうして終わろうとしている。

2004年1月6日 火曜 晴ときどき曇
 昨夜頼んでおいた朝食を食べ終え今回の記録を整理しなければと思うものの、億劫でやる気になれない。
それならと、せっかく自炊部に泊まっているのだから食材をバス停近くの佐々新商店で買い込む。
しめ鯖が350円で蟹カマボコが150円は普通だろうが、カップめんが80円から110円でその安さには驚かされてしまう。
自炊部の売店にも色々なものがあるが、あまり安くはない。
自炊場でお湯を沸かしていると若いカップルが冷凍の鍋焼きうどんを1台のコンロで作っているので、やかんが沸騰し終えると残り時間を彼らにゆずってやると、10円のコイン式コンロといえども感謝された。
食堂のやはぎから300円也の山菜寿司を買い、ささやかな食事を済ませた。

2004年1月7日 水曜 晴
疲れがいっこうにとれない。
かといって温泉に入るのも良し悪しなのは湯疲れするからだ。
それでも外に出て菊水館という茅葺の旅館部の写真を撮ったり、山水閣全体を巡り歩いてみた。
すると、豊沢の湯という近代的な湯があるのを見つけた。
これまで入った大沢の湯や薬師の湯はカランが3ヶ所ぐらいしかなく、満足に身体も洗えなかったのでゆっくりと入ってみた。
疲れが和らぐ感じがするものの、背中の痛みはすぐには治りそうにもない。
と思っていると雪が降り始めたかと思うと吹雪になった。
冬の東北に来たのに雪がないなんて洒落にもならないが、この雪で少し気分が変わった。

2004年1月8日 木曜 風まじりの雪だが昼間は晴
昨夜からの雪が20cmほど積もっていた。
今日はNHKの「ひるどき日本列島」の番組で、この大沢温泉で生中継をする。
スタッフは朝からてんてこ舞いでその慌てぶりが、自分の部屋にまで伝わってくる。
重い腰ををあげオンエア直後に館内をデジカメ片手に歩くと、湯治客たちも玄関前で舞っている子供たちと番組スタッフたちを見ている。
そんな光景を撮り歩き部屋に戻った。

2004年1月9日 金曜 晴
はじめは3泊の予定だったのが5泊になってしまった。
特に居心地がいいというのではないけど、何もせず食っちゃ寝飲んじゃ寝にはもってこいかもしれない。
明日はいよいよ帰宅なので、今日は「楽らく」で聞いた志戸平温泉に行くことにした。
本当は10時頃に出るつもりがいつのまにか昼過ぎになってしまい、着いたさきは聞いていた話とは違う感じだった。
というのも、250円で飲める生ビールの居酒屋があるというのだが、コンビニとタクシー会社それに近代的な志戸平ホテルと志戸平温泉旅館の2軒だけで店はなかった。
タクシー会社のそばにそれらしき居酒屋のようなものもあるが、昼間で営業をしてない。
しかたなく、ホテルのほうで日帰り入浴でもしてみようかと思ったが、なんとなく入る気にもなれず、バスで来た道をとぼとぼ歩いて部屋に戻ってしまった。
今日は最後の夜なのでお気に入りの豊沢の湯に何回も入った。
そこにはいつも笑顔で応えてくれた従業員が入っていた。
彼は昨日もパソコンで時刻表を調べてくれ親切だった。
その礼に、さきほどここの売店で買った蕎麦焼酎の飲み残しのボトルをあげることにした。
少しばかり話をして彼が出て行くと、こっちは少し熱めの湯にゆったりとつかる。
湯から上がると荷造りをし、あとは寝るだけだが、なかなか寝付けない。

2004年1月10日 土曜 晴
着替えなどの荷物を宅急便で送るように手配し清算すると、2年間有効の500円引きの券をくれた。
ささやかなものだが、いいもんだ。
自炊部から山水閣前の送迎バスに。
従業員たちはマイカーで帰る客のフロントグラスに張り付いた氷をスクレーパーでがりがり引っかいている。
それほど気温が低いのだろう。
部屋にいてほとんど外に出ることのなかった自分には意外だった。
9時半、いよいよここともお別れだ。
若い女性従業員がわざわざバスに乗り込んできて、泊まってくれたことに対する礼をいってる。
形ばかりのものではなく、心の底からいってるようで、いいところで泊まったと思わされた。
車内から見える山はなんというのだろう?
山から遠ざかって5年ぐらいになるが、それでもこうして山を目の前にすると、昔の山へ対する情熱が蘇ってくる。
まだまだ山は捨てたものじゃないと、つくづく痛感する次第だった。
花巻駅に着くと、その山はあの楽らくの上のほうに見える。観光案内所で山の名前を聞くと「早池峰山」だという。
岩手山・姫神山とともに南部三山のひとつで標高は1917mあるそうだ。
ご丁寧に案内所の女性がパンフレットまでくれたが、今日は北上・秋田・酒田・村上・新潟経由で帰らなければならない。
 
花巻駅をあとにし北上から秋田へ。
 
 におい優しい 白百合の
 濡れているような あの瞳
 想い出すのは 想い出すのは
 北上夜曲の あの月

そんな「北上夜曲」で有名な北上線は雪に埋もれている。
それから横手を経由して秋田へ。
キリタンポか比内鳥でも食べたいのだが、それらしき店は駅から10分ほど歩かなくてはならない。
35年程前、山形の稲垣先生を訪ねた際に連れて行ってもらった秋田のことを思い出すものの、そのときどんな様子だったかまるっきり記憶がないので、今の近代的な秋田と比較するすべがない。
そんな思いでどんよりとした北国特有の雪空の下歩き始めるが、雪が凍りついていて今にも転びそうなので駅に戻ってしまった。
駅ビル内の食堂で比内鳥の焼鳥を食べると肉はまあまあなのに、甘くて濃厚なタレがいただけなかった。

酒田には夕方に到着。
ネットで事前に調べておいた「しばらく」という寿司屋に行こうかと思うが、あいにくの雨模様で傘をさすのも億劫になっている。
村上まで行ってしまおう。
車内は女子高生たちの嬌声でうるさいが、3駅ほど通過すると皆降りて静かになった。
その村上について駅の外に出ると、ものすごい寒風だ。
ひなびた地方都市の駅前は閑散としていて、これといったものもないのは酒田も同様だった。
しかたなく駅前の案内板で見た「味作」という小料理屋へ。
入る前からいやな予感がしてたが、それは見事に当たってしまった。
暗いのだ。
花巻で入った「楽らく」とは違った意味で馴染みにくかった。
だが、その懸念は吹き飛ばされた。
ここも「楽らく」同様女将が話し掛けてくる。
値段は高めだが、味のほうはまあまあだった。
へしこは塩辛いが、糠の味がして旨い。
いいかげん飲み、ムーンライト越後の乗車時間まで1時間を残すだけとなり、鍋でも食べようと思ったが、ラーメン屋があるというのでそちらへ行くことにした。
吹きまくる海風の中、歩くこと5分。
ラーメン屋の中は湯気もうもうで暖かく、ちぎれそうな耳もすぐ暖まってきた。

ムーンライトで眠れなかった場合を想定し酒とつまみを買い込む。
リクライニングシートとはいえ前との間隔が狭いのでゆったりとした姿勢になれない。
そのうえ、なんやかんやとアナウンスがうるさくて眠れそうにない。
飲んでうとうとするものの、すぐ起きてしまう。
通過する湯沢駅はすっぽりと雪に埋まり、吹雪いている。
高崎を過ぎる頃から急に眠気を覚え、気がつけば新宿だった。
都内も寒い。
1週間岩手から秋田・山形・新潟と通ってきたが、それに負けない寒さだった。
今回の旅では何もしないものの、いろんなことを思う日々だった。
春か秋には、またこういう旅をしたいと思うが・・・


この年の春胆嚢だけでなく膵臓まで癌が浸潤してるかも知れないと診断されましたが、胆嚢の切除だけで済みました。
湯治をしたのにどうして大病したのか腑に落ちなかったですが、早期発見がなによりでした。
その三年後には母が乳癌になり、転移でなく新たに末期の胃癌になり玉川温泉に行きたいといってましたが予約が取れず姉の嫁ぎ先である甲府で一か月近く日帰り温泉で湯治したらすっかり元気になったものです。

温泉は体だけでなく心まで癒してくれいいものです。
機会があればまた自炊しながら湯治したいものです。

撮影機材 CAMEDIA C-730 Ultra Zoom
答えてネットで貯めたポイントでプレゼントコーナーに応募したら60GBの外付けハードディスクが当たりました。
初めて購入したノートパソコンは64MBですが256MBに増幅しPHOTOSHOP7を使ってました。
自炊部だけに皆さん煮炊きをしてました。
露天風呂は混浴でしたが、今では時間帯で男女別になってるようです。
子供たちの舞はかせ踊りといって五穀豊穣を願ってのことです。
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この記事に対するコメント

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
素敵な一年になりますように。
 
長期の湯治、経験してみたいです。
私は腰痛&肩首こり持ちで日々頭痛と戦ってるので
ゆっくり湯に浸かって直したいです。

うり #Ytk3Wfxk | URL | 2017/01/01 18:55 * edit *

うりさんへ

> あけましておめでとうございます。
> 今年もよろしくお願いいたします。
> 素敵な一年になりますように。
>  
> 長期の湯治、経験してみたいです。
> 私は腰痛&肩首こり持ちで日々頭痛と戦ってるので
> ゆっくり湯に浸かって直したいです。

湯治するなら東北か九州の別府が比較的安くていいです。
探せば秩父や箱根にもそれなりのところはありますが、遠くへ行って非現実感を味わうのが理想ですから。

freecat #hdScUxTA | URL | 2017/01/01 21:20 * edit *

リフレッシュ

明けましておめでとうございます

さて、僕が鳥を撮り始めたのは
仕事についているときにカメラをもって人前にいたら
「今日はお暇ですね」と言われるのが嫌で
先ずは、星を撮って、そして鳥へ
今、ばりばり健康です

好きなことをすることが健康維持の道だと思います
今年も、自分の好きな被写体を撮りましょう

baku9907 #- | URL | 2017/01/01 21:28 * edit *

baku9907さんへ

> 明けましておめでとうございます
>
> さて、僕が鳥を撮り始めたのは
> 仕事についているときにカメラをもって人前にいたら
> 「今日はお暇ですね」と言われるのが嫌で
> 先ずは、星を撮って、そして鳥へ
> 今、ばりばり健康です
>
> 好きなことをすることが健康維持の道だと思います
> 今年も、自分の好きな被写体を撮りましょう

お早うございます。
好きなことをしてるのが健康の元ですね。
それにはファインダー覗いてるのがいちばんのようです。

freecat #hdScUxTA | URL | 2017/01/02 06:38 * edit *

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